Dr. William KraemerとDr. Steven Fleckによる本です。
この本は主にNonlinear Periodization、またの名をUndulating modelについてよく説明されています。
Periodization(ペリオダイゼーション)とは?
日本語にするとトレーニングの期分けと言います。
筋肥大期、筋力向上期、筋パワー期、ピーキング、積極的休養期などを週ごと(Microcycle),月ごと(Mesocycle),3ヶ月以上(Macrocycle)などに当てはめて、トレーニングのプログラムを作っていくという物です。
一般的なのはLinear Periodization(リニアペリオダイゼーション)というもので、筋肥大期から始まり、筋力向上期や筋パワー期と続き、大事な大会や試合の1−2週間前はピーキングと言った形でしょうか。
リニアペリオダイゼーションの問題点
①全体で見て、長期間(8-12週)でのプログラミングなので、アスリートは必ず定められた全てのトレーニングセッションに参加し、定められたセット・レップ数、重量、エクササイズをこなしていく。
しかし、これは柔軟には行えないプログラムであると考えます。
例として、アスリートが何らかの理由でトレーニングセッションをミスしてしまった。これによって、全体のトレーニングプログラムを延長しないとならないこともあります。
トレーニングセッションをミスしていなくても、アスリートが毎回エネルギッシュでない場合もあります。 疲労が蓄積している状態で、トレーニング強度を徐々に上げて行っても、逆効果です。逆にさらに疲労が蓄積してしまう可能性もあります。
特に大学の学生アスリートは授業、宿題、テスト、トレーニング、練習、遠征、社会貢献活動、バイトなどとなにかと多忙です。 インシーズンになれば大体の選手はゾンビ状態です。 そんな状態が続く中で、トレーニング強度が徐々に上がっていく、従来のペリオダイゼーションは有効的ではないかと思います。
②リニアペリオダイゼーションは主に1つの重要な大会に着目して、プログラムを作成しています。
大学スポーツはシーズン制で、従来のペリオダイゼーションは使用しにくいと考えます。
Nonlinear Periodizationとは?
リニアペリオダイゼーションとは異なり、トレーニング量や強度がトレーニングセッションごとに変化するプログラムである。
リニアペリオダイゼーションは低強度高レップのトレーニングから始まり、最終的に高強度低レップのプログラムで、これは3−4週ごとの期分け(Mesocycle)によって分けられる。
Nonlinear Periodization(ノンリニアペリオダイゼーション)は強度やレップが日ごとに変わるものです。
ノンリニアペリオダイゼーションの利点
①It allows more variety in a workout sequence.
トレーニングの強度、回数などをいろいろなバリエーションで用いることが可能
②It allows athlete to more quickly pick up a workout sequence after illness or injury.
病気や怪我から復帰したアスリートに対して、リニアペリオダイゼーションより早く、病気前・怪我前の状態へ効率よく持っていけることが可能。
③It causes less boredom in the day-to-day workout routines.
毎回のトレーニングセッションだと退屈さが出てくるかと思いますが、ノンリニアはトレーニング強度、レップなどが日ごとに変わり、バリエーションがあるので、アスリートが退屈になることを防ぐ。
④It is adaptable to the diverse situations of a given training day and gives trainees the most effective type of workout.
様々なトレーニングセッションを用いることで、アスリートのその日その日の状態を把握した上で、トレーニングを指導できる。
⑤It allows more frequent rest of some muscle tissue due to the use of various resistance loadings.
トレーニングにバリエーションがあるので、ダメージを負った筋肉の修復のための十分な休息を取りやすい。
個人的に思うこと
特に上記の④と⑤は使えるコンセプトだと思います。
人間の身体というものは毎日がベストなコンディションではありません。 その要因は疲労、睡眠不足、栄養不足、ストレスといろいろとあります。
そのため、トレーニング前に選手の状態はどういったものか把握することはとても重要だと思います。 選手に疲労が残っている状態であれば、低強度のプログラムを提供すれば良いし、選手が良いコンディションなら高強度のプログラムを提供するといった具合です。
コンディションの把握といっても、そんなに時間をかけられないかと思います。
行うとすれば、RPE scaleのように疲労度や筋肉の張り具合を10段階で示してもらうことは可能ですし、CNS Tap Testを用いて、そのスコア次第で身体疲労度を把握できたりも可能かと思います。
RPE Scale
CNS Tap Test
CNS Tap TestはiTunesでとても安く購入できます。
https://itunes.apple.com/us/app/cns-tap-test/id495396849?mt=8
自分はWALMARTの安いプリペイドを使用しているので、持っていませんが。
また選手の疲労具合だけでなく、各スポーツチームのコーチ達との連携もとても大事です。
例えば、トレーニング前に練習があったとします。 その練習の強度や時間がどのくらいのものかを把握しておかないと、効率の良いトレーニングどころか、オーバートレーニングや怪我を引き起こしてマイナスの影響を与えてしまう場合もあります。
そしてよくあることなのですが、スポーツコーチが練習中にとても高強度やスプリントなどを行わせるということはよくあります。 例)この間の試合は全然走れなかったから、今回の2時間練習の最後にバスケットボールのコート5往復を60秒以内を5セット繰り返すとか。
その練習の後にトレーニングは高強度を予定していたが、この疲労困憊の状態では危険と判断し、低強度のプログラムに変えることはノンリニアでは容易に可能です。
トレーニング後に練習のパターンも同じです。 予め、コーチ達からどういった練習、どのくらいの時間の練習なのかを把握しておくのも良いかと思います。 その都度、状況に応じてプログラムを調整することはノンリニアでは容易かと思います。
私自身のトレーニングで、High Low Modelを使用しており、週3日の高強度レジスタンストレーニングを行っています。 それを3週繰り返して、1週はトレーニング適応を促すためにDealod Weekを使います。 しかし3週目には疲労が蓄積して、思うように重量を挙げれないということもよくありました。
しかし、ノンリニアだと自分の状態を把握しながらトレーニングでき(もちろん事前にある程度のプログラムは作成しますが)、より良いコンディションでトレーニングに望めることが容易かなと自分は感じています。
最後にこの本のとても参考になる部分は、最後の章にあるケーススタディの部分です。
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こないだ、バーに行ってサミュエルアダムス夏季限定のサマーエールを頼んだのだが、でてきたのはボストンラガーでした。 がっかりでした。苦笑
今度は瓶で買おうかと思います。
今度は瓶で買おうかと思います。