2014年12月8日月曜日

NSCAジャパンカンファレンス2014



12月6日と7日に国士舘大学で行われたNSCAジャパンカンファレンスに出席してお勉強してきました。
受けた講義・実技で個人的に参考になったな~ということを忘備録のようにまとめていきます。


12月6日(土)

【ヒト複合関節動作の神経ー筋制御システム~スポーツ・日常動作に必要なパワー発揮能力とその向上のための最適なトレーニング方法とは?~】 山内潤一郎氏 (首都大学東京准教授)

・解剖学やバイオメカニクスの復習として良かったかな~と思います。

・Myostatinという筋肉成長を阻害するタンパク質の存在を恥ずかしながらこの講義で知りました…

・山内氏の足首テーピングとジャンプパフォーマンスについての論文を読んでみようかと思います。




【様々な競技アスリートにおけるオリンピックリフティングを核としたレジスタンストレーニングのプログラムデザイン】 Bob Takano氏 (Takano Athletics トレーニングディレクター)

・Eu-StressとDi-Stressについて。また、それを上手にコントロールすることが大切。
  これらのストレスに関してはG.A.SでおなじみのDr. Hans SeyleのStress of Lifeという著書に詳しく書かれています。 自分も途中までしか読んだことはないので、今度買ってみようかな…

・やはりSnatch, C&J, Squatといった全身運動が軸となり、それらの運動でひたすら体力を向上させるとのこと。

・上半身の押す運動としてベンチプレスよりもプレスが重視になる。
   プレスでは肩の前面・後面が鍛えられるが、ベンチプレスでは前面のみ。

・回復方法のポイントとして同じ方法を繰り返さない。
  
   

・オリンピックリフトのテクニック習得に2-3か月かかることも。

<個人で質問したこと>
・プレスでダンベルを用いるのか?
  用いるときもあるけど、オリンピックリフトではバーベルを使うから主にバーベルでプレスを行うとのこと。

・スポーツコーチとの連携が大事といったが、Bob Takano氏自身でスポーツコーチとの良いコミュニケーションを図るために気をつけている点があるのか?
  スポーツコーチがまず何を求めているかを考え(大抵は勝利)、その求めているものを実現するためにS&Cができることを上手に説明することが大事。プレゼンやカウンセリング能力といった点ですかね。 個人的にここが難しい所…



【懇親会】
ビール約1瓶+日本酒3杯…笑

いろいろな方とつながることができる有意義な場でした。東北エリアの方で一人だけ顔真っ赤にしてた人もいました…笑



12月7日(日)

【実技:様々な競技アスリートに対するオリンピックリフティング指導の実例】 Bob Takano氏 (Takano Athletics トレーニングディレクター)

・Ground Based Movementに基づいたトレーニング処方の重要性

・スナッチやC&J習得のために段階的なエクササイズ選択の処方

<個人で質問したこと>
・スナッチやクリーンの指導中に“ダブルニーベンド”という言葉を使わなかったがそれは意図的なのか?
    バーが膝を過ぎてから、重心を母子球に乗せるという指導ですでにダブルニーベンドが自然に出来上がる。わざわざその言葉を使う必要もないとのこと。大事なのは言葉を伝えることでなくて、動作を身につけさせてやること。

このコーチングに関しては個人的に非常に参考になる部分でした。 名前や言葉に捉われすぎることがあるので…


【実技:ジュニア野球選手における障害予防とパフォーマンス向上のためのフィジカルトレーニング】 David Szymanski (Louisiana Tech University Associate Professor)

※ルイジアナ工科大ということで真っ先に思い出したのはカール・マローン…笑

・よく耳にする“野球のようなオーバーヘッドの競技において、ベンチプレスは肩に悪いから行わない”ということではなく、正しいテクニックで行うことが大事”

・身体の左右差は仕方のないこと。左右差を無くすことではなく、それ以上に左右差を広げないことがS&Cコーチとしての使命の一つである。

・肩周辺のエクササイズは基本的に肩甲骨を下げて+寄せて行う。

・タオルを用いた肩関節の外転&内転のストレッチは参考になりました。

・競技とS&Cは別物。特異性の原則を誤解しないこと。

・身体に適応が起こる最低限の量や強度のトレーニングを行う。それによってオーバートレーニングや障害を防げる要因になる。

<講義後にDr. Szymanskiと話したこと>
・後々、彼の論文を読もうと思い、おそらく疑問も出てくるだろうから、とりあえず名刺交換をしておきました。そしたらメールをくれれば論文を自分に提供することもできるとのこと。名刺交換、やっておくもんです。

・解剖学やバイオメカニクス、生理学の重要性について教わりました。それがわからない指導者に運動を教えたって、役に立たないと仰っていました。よくいるらしいです、“これを改善・向上したいがどんな運動が良いか教えてくれ”という質問者が。上記の基礎的な科学知識を有していればわかる部分はあるし、それでわからなければ聞きにくれば良いと。とまぁ自分ももっともっと上記の分野を勉強しないとな!って思いました。 
機会があればDr. Szymanskiの指導現場を観察したいものです。ルイジアナかー…ニューオーリンズ行って音楽聞きながらビール飲んでオイスター食べたいしなー



【科学的知見に基づくS&C指導】 河森直樹氏 (国立スポーツ科学センター トレーニング指導員)

・エビデンスとは指導経験や選手からのフィーバックなど、科学的知見のみではない。

・論文をいかに客観的に読めるかの重要性。

・相関関係=因果関係ではない。

・効果の有る無しだけでなく、効果量も考える。

・論文はDecision MakingのためのTool

・聴く人が考えるような入り方でプレゼンを始める。

・日本語のみでなく、スライド上にWhat?やWhy?といった言葉を入れて、強調している。

・4部構成というように、分けてプレゼンを行う。また、次の部に移動する際は一旦休憩的なスライドを入れる。

・スライドに文を入れすぎない。シンプルな構成に。



【まとめ】
なかなか勉強になる2日間でした。様々な方々と新たなつながりも構築できましたし、カンファレンス以外にも久しぶりに会う友人と飲みに行ったりご飯に行ったりと楽しかったです。
また、プロの通訳さんは本当にスゴイな~と思います。 講義中に自分も頭の中で翻訳をしていたのですが、まー瞬時に翻訳なんてできません。 あれはカッコいい…笑
今回のカンファレンスでボランティアなどで動いて頂いた方々には感謝しきれません。 この場でお礼を申し上げます(このブログを見てるとは思わないけど…笑)



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カンファレンス2日目、ニンニク臭いなこいつ…と思われてたかもしれません。
すみません、土曜日の夜、新宿で飲んだ後に勢いで二郎系食べちゃいました。笑