2013年9月22日日曜日

Book Review 2: Triphasic Strength Training 2

前回の続きです。
前回のはこちらから。

前回はGASを述べました。
今回もTriphasic Training Method を説明する前に、そのベースとなるPeriodizationを説明したいと思います。


さまざまなPeriodizationがありますが、 Triphasic Training で用いられるのはModified Undulating Modelです。

<Modified Undulating Model>






グラフにするとこうなります。
赤の棒がIntensity(運動強度)、青の棒がVolume(運動量)を表しています。
MはMonday(月曜日)
WはWednesday(水曜日)
FはFriday(金曜日)

月曜日はModerate Intensity&Moderate Volume
水曜日はHigh Intensity& Low Volume
金曜日はLow Intensity & High Volume

このモデルでは、2つのHigher Volumeの日(HighでなくHigher)の間に72時間の間隔が与えます(月曜と金曜の間)。これによって前回述べたGASのResistance(Recovery)Stageに適応する充分な時間を与えることができ、筋疲労の回復や筋・肝臓グリコーゲンの回復が見込めるとのことです。

このモデルをベースとしてTriphasic Trainingが組み込まれます。もちろん3dayだけでなく 4day, 5day, 6day,もあり、インシーズン用の2dayプログラムもあります。 

<Block System>
Triphasic TrainingはMesocycle(3-4週)をベースにトレーニングを分けられます。

Block Systemの考えも用いられます。

Block systemには3段階あります: Accumulation, Trasmutation, Realization.

Accumulation
この段階での第一目的は、ストレングス&筋持久力の土台を作ります。
より高いストレスを用いられる次の段階への準備期間でもあります。

Transmutation
Accumulationで作った土台をベースに、スピード、筋パワーの向上を目指します。
Accumulationでは筋肉や心肺機能へのストレスが主ですが、Transmutationでは神経系やモーターコントロールへのアプローチが主になります。

Realization
競技に対しての準備期間です。2段階で作り上げてきたものを競技で最大限に引き出せるようするのがこの段階の目的です。
Peakingとも言います。


Traiphasic Trainingでは

Accumulation: >80% of 1RM, 3 Blocks:(1. Eccentric Phase, 2. Isometric Phase, 3.Concentric Phase), 2-3 weeks each
Transmutation: 55-80% of 1RM, 1 Block, Speed-strength, 3-4 weeks
Realization: <55% of 1RM, 1 Block, High Velocity peaking method, 3-5 weeks.

Accumulationではさらに3ブロック(3段階)を用いて、各ブロックに2-3週間を設ける。最初のブロックは伸張性収縮をメインに、2つめでは等尺性収縮、3つめでは求心性収縮を。用いられる重量は1RMの80%

Transmutationでは1ブロックを用い、スピードストレングスを目的としたトレーニングを3-4週間。重量は55ー80%。

Realizationでは1ブロックを用い、高速度のピーキング法を用いる。期間は3-5週間で重量は55%以下。


次から各ブロック(段階)について述べたいと思います。


※グラフを作成するのに時間を費やしてしまいました。疲れたので、これからビール飲んできます(まだ午後3時)

2013年9月16日月曜日

Book Review 2: Triphasic Strength Training 1

ボストンからミズーリへ帰ってきました。 秋セメスターは4クラスとウエイトルームでのお仕事は野球と体操のアシスタントです。


ちなみに自分が使っていた、パソコンは壊れました。 チョコレートミルクによる溺死です。 ですので、学校の図書館から更新しています。


最近、一つの書物を読み終えたので、そのレビューを綴ります。
読み終えたのは、Triphasic Strength Training by Cal Dietz and Ben Peterson.


この本は、ボストンに滞在している間に知りました。見学させて頂いた、Northeastern Universityの男子バスケットボール部がこちらのmethodを利用しているのと、Harvard Universityのフットボールチームのトレーニングにもこちらのmethodが組み込まれていました。


今回のブックレビューは長くなりそうなので、何回かに分けて投稿します。

最初に、このシステムについて、基本的な3つの概念があります。

1. Stress the human body (人体に負荷をかける)
2. Stress it often (負荷を頻繁にかける)
3. Stress it differently each time (毎回、違った形で負荷をかける)

この3つの概念を基本に身体がどう負荷に適応していき、身体を強くさせていくか。これはGeneral Adaptation Syndrome (GAS)という概念に基づいています。

GASには3つのステージがあり、Alarm Reaction, Resistance (Recovery), and Exhaustion (Sever overtraining)です。

Alarm Reaction
闘争・逃走反応、または、攻撃・逃避反応ストレスのかかる事態に対処するための自律神経系の働き)のことを指します。トレーニングによる強いストレスによって、筋肉とエネルギー基質は分解されます。上記は、強いストレスを身体が受けることによって身体の内分泌系の反応が引き起こします。例として、コルチゾールなどのストレスホルモンの分泌。

Resistance (Recovery)
これはトレーニング後に起こります。強いストレスを受けてダメージを受けている身体が、恒常性を保とうと、ダメージを受けた組織をインスリン反応によって回復させようというのがここのステージです。ストレスホルモンの量は正常に戻りますが、それは適切な休息時間を与えたのみの場合です。

Exhastion (SeverOvertraining)
このステージは、身体の分泌反応が鈍くなり、強いストレスに順応することが難しくなってきます。 このステージに陥るアスリートの身体は主に、神経系の障害、コルチゾールの上昇、睡眠障害、制限されたインスリン反応などが見られます。このステージはパフォーマンス低下のステージです。

このGASによって、3つの異なる結果が予測されます

①弱い負荷しか受けてないために、Resistanceを経験した後でさえも、身体は強くならないこと(ストレスを受ける前の状態に身体が戻るのみ)。Positive Adaptation(プラスの順応)に失敗。

②長期間の強い負荷を受けてきたために、身体がオーバートレーニング状態になり、結果パフォーマンス低下を引き起こす。Resistanceを経験するまえに、身体に強い負荷をさらに与えてしまうことでこの現象が起きます。

③短期間での強い負荷を受けることにより、適切なAlarm Reactionを引き起こし、身体が正常に回復する期間を設けることによって、身体がストレスに対して、プラスの順応を起こし、パフォーマンス向上につながる。


※本に載っているわかりやすい図を載せようと思ったのですが、見つけられませんでした。



ここでCal Dietzはストレングスコーチの一役割をこう述べています。

”A Strength coach is a stress manager."
"ストレングスコーチはストレスマネージャーであること”

選手のストレスをマネジメントしていくことによって、選手のパフォーマンス向上や怪我の減少をしていこうということです。

また、こうも述べています。
”Coach must NOT severely overtrain athletes. However, coach must overreach them to maximize their performance gains."
"コーチは選手を過剰にトレーニングさせては駄目である。しかし、コーチは選手のパフォーマンス向上のために彼らをオーバーリーチさせなければならない。”

※訳に自信はありません。

オーバートレーニングは上記の通り、オーバーリーチとは選手のパフォーマンスが低下し始める疲労ポイントまでトレーニングをさせる、持っていくという考えです。 



とりあえず一旦ここでストップします。続きはまた綴ります。